太平観音堂(米原市)


  • 太平観音堂(米原市)

伊吹山の南麓を走る国道365号線を伊吹山中学校や伊吹山文化資料館のある春照(すいじょう)集落に、伊吹四大護国寺の一つであり身の丈180.5cmという大きな円空仏を安置する太平観音堂がある。
伊吹山はかつて荒ぶる神の坐す深山として記録されており、荒ぶる神の見えない大きな力がこの山を山岳信仰の聖地とさせた。仁寿年間(851~854)に奈良元興寺の僧三修が、長尾寺、太平寺、観音寺、弥高寺の4か寺をくるめて伊吹山四大護国寺を創建した。その中の一つが現在の太平観音堂である。
この地域はもともと15戸の集落で、ここよりも標高の高い450m付近にあった伊吹村大字太平寺が昭和39年に集落上方の斜面がセメント鉱山になったのを機に、仕事の問題や豪雪など生活の不平不満を話し出したのをきっかけにセメント鉱山へ土地を売り、その金で今の春照へ集団移住してきた。
この地にあった太平寺も同時に山を降りたのだが、天文五年(1536年)の記録によると、30坊ほどの塔頭があったというが江戸時代にはすでにわずかしか僧坊は残っておらず、春照に移った太平寺は今、新しく建て替えられた公民館のような綺麗なお堂となっている。
すでに無住のため、地域の人々によって世話をされており拝観には事前予約が必要となる。
本尊の十一面観音立像は江戸時代の僧円空が元禄二年(1689年)に残した像高180.5cmという大作。晩年の円空仏の中でもこの大きさは珍しい。一本の桜の木から掘り出したもののため腕の表現などは多少の窮屈さを感じるが、霊木としての精神性がひしひしと伝わってくる。背面には円空の墨書が遺されており、頭部には梵字、体部には漢詩、脚部から蓮台にかけては「四日木切 五日加持 六日作 七日開眼 円空沙門」と独特の書体で書かれている。わずか4日間でこの大作を完成させて円空は、生涯に12万躰の仏像を彫ったと推定されている。


  • 名称:太平観音堂(たいへいかんのんどう)
  • 宗派:–
  • 札所:–
  • 本尊:千手観音立像
  • 本尊について:江戸時代(元禄二年、1689年)、桜材一木造り、高さ180.5cm、市指定文化財
  • 公開:要予約
  • その他の仏像:ナシ
  • 住所:滋賀県米原市伊吹町春照658-4
  • 電話番号:0749-58-0250(三原モータース)
  • 公共交通機関:JR「近江長岡」駅から湖国バス「ジョイ伊吹」下車、徒歩約15分
  • 車:名神高速道「関ヶ原」ICから約20分、「長浜」ICから約20分
  • 駐車場:アリ
  • 拝観料:300円
  • 拝観時間:–
  • 定休日:–
  • 拝観時間の目安:15分~25分
  • 拝観環境:基本的にはガラスケースの中に安置された状態での拝観となる。
  • 備考:–
  • HP:ナシ
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MAP—
滋賀県米原市春照658-4