橘堂(草津市)

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  • 橘堂(草津市)

三面六臂の観音像を祀る橘堂は琵琶湖の南湖、草津市志那町の吉田集落にある。藤棚が有名な三大神社から東へ数百メートルいった集落の外れにある小さなお堂で、琵琶湖の対岸には比叡山が正面に座している。橘堂に住職はおらず個人像としてお守りされている。
本面の両側に忿怒面と菩薩面を有した尊顔は、湖北の渡岸寺や京都の法性寺などと同じであるが、ここの観音像の両顔はそれらよりも少し前に張り出す。その姿は救いに向かおうとする観音様らしい大きな動きが感じられる。残された由緒書きによると、奈良興福寺の定恵和尚の作であり、定恵和尚が天武天皇の勅願により隣町の北大萱町の宝光寺を創建した際に同時に建立された。天皇より御髻の一部を拝受し、本尊とともに安置したことからこのお堂を髻堂(きつどう)、あるいは結堂(ゆいどう)と称し、現在は橘堂とよぶ。その後、永正六年(1509年)、戦国大名大内義興の兵火にかかり、堂宇は消失したが本尊だけは救出され、一時民家に安置したという。

恐らくこの時代から先は無住であったものと考えられており、その後はこの地の吉田姓と白井姓10軒ほどで管理している。このお堂ができるまでは各家に安置していたのだとお堂を開けてくださった吉田さんが話してくれた。現在のお堂は吉田姓と白井姓の両族がもともとお堂のあった現在の地に、橘堂として建立し現在に至っている。

現在も宝光寺の末寺となっており、宝光寺の重文に合わせて15年に一度お盆の時期約1週間だけに開扉される。宝光寺の本尊薬師如来立像(重文)はこの開扉の期間を守り拝見することは出来ないが、橘堂は予約をすれば開けていただき拝することが出来る。この志那町吉田はもともと沼地で、吉田という地名は葦田と呼ばれていたのだろう。琵琶湖に程近く、比叡山を対岸に望むこの地には橘堂だけでなく、多くの平安古仏を安置する寺院が多い。


  • 名称:橘堂(たちばなどう)
  • 宗派:–
  • 札所:–
  • 本尊:観音菩薩立像(伝三面六臂観音立像)
  • 本尊について:平安時代中期~後期、桧材木造、古色・彫眼、高さ107.2cm、草津市指定文化財
  • 公開:要予約
  • その他の仏像:ナシ
  • 住所:滋賀県草津市志那町
  • 電話番号:077-561-2429 (草津市教育委員会)
  • 公共交通機関:JR琵琶湖線「草津」駅より、バスで約10分「北大萱」バス停下車、徒歩で約10分
  • 車:名神高速道「栗東」ICまたは「瀬田西」ICから約25分
  • 駐車場:ナシ(近隣に駐車可能)
  • 拝観料:志納
  • 拝観時間:–
  • 定休日:–
  • 拝観時間の目安:15分~20分
  • 拝観環境:本尊は厨子の前まで行き近くから拝見することが出来る。
  • 備考:個人蔵の仏像となり、拝観はこの地で昔から守り続ける吉田家が管理している。
    北大萱の宝光寺の末寺であり宝光寺のご開帳(十五年に一度)と併せてお盆の約1週間開扉される。次回は平成28年の予定。
  • HP:–
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MAP—
35°02’53.9″N 135°56’20.6″E

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